【第2報】 MERSコロナウイルス(広東省の状況)

2015/06/11

2015年6月11日

在広州日本国総領事館
韓国でMERS感染が拡大していますのでご注意下さい。

1 10日,広東省衛生計画育成委員会は,患者の状況を発表しました。患者は4日間発熱はなく,痰はなくなり咳も減り,状態はよくなってきていますが,まだ,状況の変化に,注意する必要があるとのことです。SARSの治療で著名な鐘南山院士を中心とする専門科が治療にあたっているとのことです。
  広東省内の密接接触者75人全員に対し,9日までにMERSの検査を各2回行った結果,全員が2回とも陰性であったということです。

2 コロナウイルスに対する一般的な具体的予防策は以下のとおりです。
● 休息、栄養を十分に取り、体に抵抗力をつける。
● 手指等の衛生保持に心掛ける。
● できるだけ人混みを避けるか、マスクの着用を励行する。
● 咳やくしゃみの症状がある患者とは、可能な限り濃厚接触を避ける。
● 温度の変化と乾燥しすぎに注意する。
● 高熱、咳、呼吸困難等の症状が見られた時は、適切なタイミングで専門医の診断を受ける。

3 参考情報
 外務省海外安全ホームページ http://www.anzen.mofa.go.jp/
 スポット情報を参考にして下さい。
 広東省衛生計画育成委員会 http://www.gdwst.gov.cn/

4 「MERSに注意,しかしパニックにはならないで」
 広東省疾病予防コントロールセンターのHPを抄訳しました。
 http://www.gdwst.gov.cn/a/yiqingxx/2015060313698.html

 MERSとはなんでしょう。
 2012年中東で見つかり,その後ヨーロッパ,アフリカ,アジア,アメリカ大陸等で特に医療関係者などに感染が広がりました。2003年のSARSと同じコロナウイルスです。 感染性はSARSより劣りますが,死亡率はSARSより高くなっています。
●症状
 コロナウイルス感染症の症状はSARSとある程度似ています。急性・重篤な呼吸器感染,熱,咳,荒い呼吸,呼吸困難となります。重篤な場合は腎機能が低下し死に至ります。
●感染のしかた
 ヒトからヒトへの感染は限定的です。SARSのように短時間で多くの人が感染することはありません。
●治療
 初期には特定な症状がありませんので,早期発見は困難です。特効薬はありません。対症療法を行います。
●予防
 中東やヨーロッパなど流行している国に行く人は,旅行後,熱,発咳,荒い呼吸,呼吸困難等の症状がでたら直ぐ医療機関を受診して下さい。呼吸器の保護,病気の動物に触れない,生の動物性食品(ミルク,生肉等),を食べないようにしてください。リスクの高いのは糖尿病,慢性呼吸器疾患,腎機能低下,免疫力が低下している人々等です。