広東省の鳥インフルエンザ感染症例と輸入性ジカ熱患者発生

2016/02/22

広東省の鳥インフルエンザ感染症例と輸入性ジカ熱患者発生

2016年2月19日
在広州日本国総領事館

1 18日,広東省衛生計画生育委員会は今年の鳥インフルエンザA(H7N9)感染者の発生が8例,死亡例が1例と発表しました 。
; これまで当館HPの鳥インフルエンザ関連情報でもお知らせしておりますが、在留邦人の皆様におかれましては、最新情報を随時確認の上、鳥インフルエンザへの感染を予防するため、以下の注意事項を参考に行動することをお勧めします。

●生きた鳥を扱う市場や家禽飼育場への立入を避ける。
●死んだ鳥や放し飼いの家禽との接触を避ける。
●鳥の排泄物に汚染された物との接触を避ける。
●手洗い、うがいにつとめ、衛生管理を心がける。
●外出する場合には、人混みは出来るだけ避け、人混みではマスクをする等の対策を心がける。
●突然の発熱や咳など、呼吸器感染症の症状が現れた場合には、速やかに最寄りの医療機関を受診する。

 ご参考 鳥インフルエンザに気をつけましょう 。
http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/seqinfo/doc/20141117.html

2 輸入性ジカ熱患者の発生
 16日,広東省衛生計画生育委員会は12日にベネズエラから帰国した江門市在住の28才男性がジカ熱に感染していたことを発表しました。入国時に発熱と発疹があり,検査した結果,ジカ熱だったとのことです。直ぐに患者を隔離できたこと,媒介する蚊がほとんど存在しない時期であることから拡大するリスクはないとのことです。

; ;今後もジカ熱が輸入される可能性はありますが,デング熱同様,ネッタイシマカ等の蚊に刺されなければ感染しませんので,蚊に刺されないようにご注意下さい。

; ;ジカウイルス感染症について
(1)感染経路
 ジカウイルスによる感染症で、ウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。感染した人を蚊が刺すと、蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊に他の人が刺されると感染する可能性があります。極めて稀なケースとして、献血や性交渉による感染の可能性も指摘されています。
(2)症状
 ジカウイルスを保有した蚊に刺されて感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日。主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われています。発症すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈しますが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。
(3)治療方法
 現在、ジカウイルス感染症には有効なワクチンや特異的な治療法はなく、対症療法が行われます。ジカウイルス感染症が流行している地域で蚊に刺された後に発熱が続く、または発疹が出るなど、ジカウイルス感染症を疑う症状が現れた場合には、医療機関への受診をお勧めします。
(4)予防
 ジカウイルス感染症には有効なワクチンもなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。これらの感染症の発生地域に旅行を予定されている方、1月~5月にかけて蚊の繁殖が最盛期を迎えますので、次の点に十分注意の上、感染の予防に努めてください。
●外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分や衣服に昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。昆虫忌避剤は、ディート(DEET)やピカリジン(Picardin)等の有効成分のうちの1つを含むものを、商品毎の用法・用量で適切に使用する。一般的に、有効成分の濃度が高いほど、蚊の吸血に対する効果が長く持続すると言われている。
●室内においても、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
●規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
●軽度の発熱や頭痛、関節痛や結膜炎、発疹等が現れた場合には、ジカウイルス感染症を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。
●蚊の繁殖を防ぐために、タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外放置しない、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。